日本のバレーボール界で初めてのプロの専属アナリストとして、北京五輪の「柳本ジャパン(柳本晶一前監督)」時代から活躍し、2012年のロンドン五輪では28年ぶりのメダル獲得に貢献した渡辺啓太氏。
データを駆使して戦うバレーボール、アナリストとはどのような仕事だろうか?
28年ぶりに銅メダルをもたらした
「データバレー」
2012年8月、全日本女子バレーボールチームは、
ロンドン五輪で28年ぶりのメダルを獲得しました。
選手の身長も技術も高くなり、厳しい戦いが繰り広げられている世界のバレーボール。その中で、小柄な全日本女子チームが、いかにして高レベルの戦いを勝ち抜いていったのかと、多くの質問が寄せられました。
そこには、ロンドン五輪までの4年間にわたって、
練りに練った戦略と入念な準備がありました。
つまり「狙って獲りにいった」メダルなのです。
この「狙って」の部分を支えるもののひとつが、データでした。
ところで皆さんは、バレーボール・アナリストという職業をご存じでしょうか?
スポーツにおけるアナリストとは、技術成績や戦術傾向を調査・分析して、選手やコーチに役立つ情報を提供する専門家のこと。
自分たちのチームや相手チームの情報を収集・分析し、チームのパフォーマンス向上と勝利に貢献することが仕事です。
ロンドン五輪の銅メダルのニュースもあって、バレーボールでデータが積極的に使われていることが多くの人に知られることになり、
「データバレー」という言葉も浸透しました。
試合中、眞鍋監督が片手にiPadを持ったまま、選手に指示をする姿を目にした人も多いでしょう。
試合中、コート後方で休むことなく一心不乱にパソコンにデータを打ち込むという一見奇妙に映る私の姿も注目され、チームスタッフの一員であるアナリストの存在にも光を当てていただきました。
こんなことから、「データバレーの勝利」とか「日本のメダル獲得の裏にはデータ戦略があった」などと取り上げられるようになったのです。