11/12(火)より「ワールドグランドチャンピオンズカップ2013」(グラチャン2013)が開幕、全日本女子チーム・火の鳥NIPPONの激闘が始まる。
2012年ロンドン五輪での28年ぶりのメダル獲得の快挙を成し遂げた女子バレーボール。日本のバレーボール界で初めてのプロの専属アナリストとしてロンドン五輪のメダル獲得に貢献、現在もチーフアナリストとして活躍する渡辺啓太氏に、データを駆使した火の鳥NIPPONの戦い方を聞いた。
データを「伝える」「捨てる」も
アナリストの仕事
私の考えるアナリストとは、「『チームが勝つ』という目的のために、有益な情報を意思決定者に戦略的に提供する専門家」のことです。データを打ち込み(収集し)、分析するだけがアナリストの仕事ではありません。
- 1. チームの方針、コンセプト作り、目標設定の支援
- 2. 1.を裏付けるデータ収集
- 3. 課題の洗い出しと、効果的な克服方法の立案
- 4. 目標達成、全日本女子チームが“世界で勝つため”に、日本そして世界の
- 国々のあらゆる情報を精査し、それを具体的な勝利の手段に落とし込む
- 5. 日々の練習等で、監督・コーチ・選手、時には協会の人たちにも、必要なデータをしっかり理解してもらえるよう、伝える
これらが私に与えられたタスクです。
監督やコーチと協力して進めることが多いですが、課題をデータで「洗い出す」ことや、数字が苦手な現場の選手たちにもわかりやすくデータを「伝えること」、伝わるようにデータをいろいろな形に「加工すること」や、時としては不要なデータを「捨てること」もアナリストの役目です。
選手たちがその磨き上げられた技術と、身体、そして精神力を武器にコート上で躍動するように、アナリストはコートの内外で起こるありとあらゆる現象を数字化し、データとして咀嚼し、勝利のために使います。
まさにデータを武器に、世界と戦っているのです。