目標設定として、
あえて他人と比較することも

  じゃあネガティブな数字は何も見せないのか、ライバルと一切比較をしないで戦うのかと言われると、そんなことはありません。

  選手に数字を見せる場合は、あえて他人と比べることもあります。そのときに引き合いに出すのは「世界のトップレベル」。

  現状レベルがどうあれ、全日本女子チームの選手は世界一になるために日々努力しているわけですから、トップ選手が見るべきものは「目指すべき目標」
です。経営などの言葉で言えば、ベンチマークにするという感じでしょうか。

  「世界のトップ選手はブロックがついても、これだけの数のアタックを決めているんだよ。すごいね」

  と言いながらも目の前の日本の選手を否定するのではなく、目指すべき数字を明確にします。

  そこから、

  1. 1．日本が目指している目標値
  2. 2．世界のトップの現状
  3. 3．現在のその選手の数字

  の3点を比較します。

  この作業を経て、選手たちは自分の目指すべきゴール、印象論や精神論ではない「世界のトップに近づくためにはどうするか」を自分自身で考え始めるようになるのです。