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宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

アジアのモバイルマーケティング最前線事情(インド編)

宝珠山卓志 [株式会社D2C 代表取締役社長]
【第9回】 2013年11月8日
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モバイル・マーケティングに表れる現地事情

 The Mobile Marketing Association (MMA)が主催するスマーティーズ・アワードという広告賞で、弊社の出資先であるAffle(http://www.affle.com/)およびad2c(Affleの子会社)がいくつか賞を受賞しており、具体的な事例として紹介したいと思う。

 一つは、「モバイルアプリ内広告」部門で銀賞を受賞した事例だが、Galaxy S3 の“Draw Something Draw Samsung”キャンペーン。Draw Somethingというアプリで、お題の絵を描いて、Facebook上の友達に送り、受取った人はその絵が何なのかを答える。正解ならコインをゲットでき、そのコインでパレットの色を増やすことができる。

 このアプリ内にサムスンがGalaxy S3の広告を出稿。S3の機能にまつわるヒントをイラストで示し、機能名を当ててもらう。正解までのタイムを競いあう仕組みを入れることで、口コミの広がりを狙っている。結果、ユーザーの総利用時間は9万時間以上で、参加ユーザーの22%がその結果をFacebook上でシェア。シンプルで参加しやすい仕組みと、ユーザーのエンゲージメントの高さが評価された。

Draw Something Draw Samsungのムービー

 もう一つの事例は、同アワードの新商品発売キャンペーン部門で金賞を受賞したもので、サムスンのGalaxy Grandの持つ5インチの大型スクリーンとプロセッサの速さを疑似体験してもらう“it’s BIGGER than yours”というキャンペーン。バナーにタッチすると、端末を識別して、バナーサイズを変換し、自分の端末との比較で疑似体験するというもの。都市部なら別だが、Grandを手に取りたいと思っても、近くにショップがないという地域も少なくない。日本人にはピンとこないかもしれないが、こういったところにもお国柄が表れる。

 また、インドでは小売店が乱立し過ぎているので、マストバイキャンペーンなどの店舗オペレーションや大規模な商品供給が必要な展開は難しい。あるいは、広告主としては車、通信、食品などの広告主がメインで、日本のモバイル広告市場拡大に貢献してきたコンテンツプロバイダはあまり登場していないなど、文化的背景の違いやマーケティングメソッドの違いは、モバイル・マーケティングの設計段階で理解しておかなくてはいけない。

 インドは、フィーチャーフォン向けのマーケティング展開の蓄積もあって、スマートフォンを対象としたアプリやキャンペーンなども数多く登場してきた。モバイル・マーケティングのレベル、クリエイティブの質とも確実に上がってきている。

 次回は、インドとは、また状況が異なるタイの市場を見てみたい。

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宝珠山卓志
[株式会社D2C 代表取締役社長]

1972年2月9日生まれ・東京育ち・妻と子供一人・趣味はシャンパーニュ。
1995年早稲田大学社会科学部卒業後、電通入社。マーケティング局配属後、第7営業局NTTドコモ担当。2000年D2Cへ出向。営業部長、営業推進部長を経て、2004年取締役COOに就任。2010年代表取締役に就任。現在に至る。

宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイルマーケティングの第一人者が、業界動向や日々の話題にふれつつ、日本あるいは日本企業が持っている力の再検証と、それらを踏まえたグローバル市場における日本企業のポテンシャルを前向きに検証していく。

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