鉄腕アトムや蒲田行進曲など
ご当地メロディもしっかり収録
オリジナル曲が多いですが、有名なメロディが流用されている場合もあります。これらのよく知られた曲も採譜されています。
東京で有名なのは、高田馬場駅の「鉄腕アトム」(高井道雄作曲)でしょう。主題歌の最後の8小節が発車メロディです。思わず歌ってしまいますね。高田馬場には手塚プロダクションのオフィスがあり、かつては手塚治虫さんも高田馬場で仕事をしていました。
八王子駅の「夕焼け小焼け」も有名です。草川信作曲による大正時代の童謡です。作詞者である中村雨紅が八王子の出身だったんですね。「夕焼け小焼け」は最初の8小節の主題が引用されています。
大井町駅と高尾駅ではヴィヴァルディの「四季」から第1楽章と第3楽章の軽快な冒頭部分を採用しています。
蒲田駅の「蒲田行進曲」もよく耳にします。上りと下りで引用している部分が違うそうです。この曲は映画「蒲田行進曲」(脚本・つかこうへい 監督・深作欣二 1982年)の主題歌で、もともとルドルフ・フリムルによる1920年代のウィーン・オペレッタの曲に歌詞を付けたもので、昭和戦前のヒット曲です。
『鉄のバイエル』を片手にJR東日本の駅をめぐって耳を澄ませてみましょうか。もちろんラッシュを避けて休日に。初めての駅では録音しておくといいですね。鉄道旅行の意外な楽しさを発見できるでしょう。
◇今回の書籍 34/100冊目
『鉄のバイブル 鉄道発車メロディ楽譜集 JR東日本編』
本書は、鉄道の発車メロディの初の楽譜集です。JR東日本の駅ホームで流れる発車メロディを、101曲収録しました。山手線、中央線、東海道線ほか…、多くの方が耳にしたことのある曲ばかりです。
松澤健 著
定価(税込)2,100円
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