リスクとリターン」で、より効率的に運用している商品を探せ!

 投資信託選びの原則は、「リターンが同じならリスクが低いほうを選び、リスクが同じならリターンが高いほうを選ぶ」ということです。たとえば、年間8%のリターンを上げる投資信託が2つあったとして、一方のリスクが10%、もう片方のリスクが8%だったら、後者を選んだほうがよいことはすぐにわかります。

 しかし実際は、そう簡単にはいかないものです。比較したい投資信託のリスクとリターンの数字はまちまちだからです。

 そこで、複数の投資信託を比較しやすくするために、リターンの数字をリスクの数字で割ってしまいましょう。こうして出てきた数字(「シャープレシオ」といいます)は、その投資信託がどれだけ効率よく運用しているかを表しており、数字が大きいほど効率性が高いことを意味します。

 たとえば、リターン8%・リスク10%の〈いろはファンド〉と、リターン6%・リスク8%の〈にほへファンド〉は、どちらのほうが効率的に運用できているでしょうか? それぞれのシャープレシオを計算してみると、〈いろはファンド〉が0.80、〈にほへファンド〉が0.75となりました。この2つの数字を比べれば、〈いろはファンド〉のほうが効率よく運用しているとわかります(下図参照)。

(注)リスクフリーレートとは、リスクのない(元本の保証された)投資商品における利回りのこと。2013年3月現在、リスクフリーレートは0.5%とさほど大きくないため、ここでは考慮に入れず、簡易的に計算している。

 投資信託選びで大切なのは、リターンの良さにばかり気をとられることなく、自分の許容範囲内でリスクとリターンのバランスがとれた商品を選ぶこと。この点をしっかり覚えておいてください。