冬のボーナス、消費税増税、2014年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)……。「お金」について考えさせられる機会がなにかと多い今日このごろですが、あなたはどのくらい自分のお金の全体像を把握し、どれだけ将来の備えができているでしょうか。
本連載では、投資信託の第三者評価機関モーニングスターのトップ朝倉智也氏に、無理のないマネープランの方法から具体的な投資信託の選び方までを、初心者にもわかりやすくレクチャーしていただきます。この機会に、あなたもご自身の「お金」と向き合ってみませんか?
投資信託は誰のための商品?
モーニングスター株式会社 代表取締役社長。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。その後ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資産運用全般、子会社の設立および上場準備を担当。1998年、モーニングスター株式会社設立に参画し、米国モーニングスターでの勤務を経て、2004年より現職。第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。主な著書に『〈新版〉投資信託選びでいちばん知りたいこと』、『30代からはじめる 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ともにダイヤモンド社)、『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』(朝日新聞出版)がある。
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アベノミクス効果も手伝って、日本経済にも徐々に活気が戻りつつある今日このごろ。「ここしばらく投資を手控えていたけれど、最近ようやく再開しました」という方や、「2014年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)を機に、これから投資を始めるつもりです」という方など、個人投資家の方もさまざまな思いと期待感をもって最近の投資相場を見つめているようです。
個人投資家のみなさんに人気の金融商品として、個別株投資に次いで関心を寄せられているのが「投資信託」です。あなたに代わってファンドマネジャーが資金を運用してくれる点や、比較的少額からでも始められる点、証券会社だけでなく銀行や郵便局など身近な金融機関でも取り扱われている利便性などが、投資信託の人気を支えている要因なのでしょう。
私は投資信託を第三者の立場から評価する格付機関モーニングスターの代表を務めているのですが、このような立場にいると、個人投資家の方々から投資信託にまつわるさまざまな悩みを寄せられます。なかでも多いのが「投資信託には興味があるけれど、どれを買ったらいいかわからない」というものです。
現在、日本国内に出回る投資信託の数はどのくらいあるかご存知ですか? なんとその数、約4000本(2013年9末現在)。東京証券取引所に上場している企業数は約3800社ですから、いかにその数が多いかがおわかりいただけると思います。投資をある程度やり慣れた方であっても目がくらむほどの商品数なのですから、初心者の方なら何をかいわんやです。
投資信託を選ぶ際には、ちょっとしたコツがあります。本連載ではこれから何回かにわたってそのコツをお伝えしていくわけですが、決してむずかしいものではなく、いったん知ってしまえば今後ずっと役立つ知識なので、ぜひご自身でモノにしてください。
ではさっそく、準備体操から始めましょう。あなたは次の2つのうち、どちらのタイプに当てはまりますか?