自己肯定感を高めるために大切な2つのこと
では、自己肯定感はどうやって育まれるものなのでしょうか。
ひとつは、愛されているという実感をもつこと。
もうひとつは、やればできるという自信をもつことだと、私は考えています。
愛されているという実感は、他者からの「無条件の受容」によって生まれます。
「生まれてきてくれてありがとう」「どんなあなたも愛している」という、存在するだけで肯定される「無条件の受容」こそ、自己肯定感の源です。
しかし、親は子どもの成長とともに、つい愛情に条件をつけたり、他の子と比べたりしがちです。
それが大切な自己肯定感を損ねてしまうのです。
たとえば、「○○をしてくれるよい子だったら、あなたのことが好き」「○○をしたら嫌いになる」というような言葉がけをしたら、子どもはどのように受け止めるでしょうか。
親の愛情が、条件によって増減すると感じてしまうでしょう。
「誰が何と言おうが、私はあなたの味方」と言ってくれる人が、ひとりでもいることが子どもの支えになります。
兄弟と比較されて傷ついていたり、愛情の差を感じて悩んでいたりという生徒がいます。
特に、受験などの大事な時期は、家族の注目がひとりに集まりがちです。
事情を理解できない年齢の弟妹が、「自分はかわいがられていない」と感じてしまうということも起こります。
「しまった、もう遅い」と思われる方がいるかもしれませんが、親御さんがそれに気づき、接し方を変えることで、思春期以降でも、見違えるように表情が変わる子も見てきました。
自己肯定感を育むことは、やり直しがきくのです。
自己肯定感はまた、できないと思っていたことができたという「達成感」からも生まれます。
無理だと思ったハードルを思いきって飛び越えたとき、「私は、やればできる子なんだ!」という強い自信と誇りが生まれます。
「自分で決めた」「自分で乗り越えた」という自信が、自己肯定感を育むのです。