たくさんの失敗ともめ事を「プレゼント」する意味

 社会の第一線で活躍し、自己肯定感が高いな、と感じる方に、そうした前向きな姿勢について、「いつごろからですか?」と尋ねると、「学生時代の部活動体験」と答える方が少なくありません。
 何かを成し遂げたという達成感や自信が、その後の人生を支える自己肯定感を形成したのでしょう。

 そうした達成感を得るために、親にできることは何でしょうか。

 それは、過保護・過干渉から卒業することです。

 子どもの乗り越えるべきハードルを取り除かないこと、むしろ、たくさんの失敗ともめ事を「プレゼント」してあげることだと思います。

 そして、小さなことでも、子どもの成功体験を認めて、ほめること。それは、未来のために達成感や自信を「貯金」してあげることになります。

 もし、子どもの自信が揺らぐようなことがあったときは、その「貯金」を思い出させてあげましょう。
 たとえば、「幼稚園の年少のとき、1等賞をとったよね。あのとき、どんな気持ちだった?」というように、心の奥底に眠る満たされた記憶を呼び起こす問いかけをくりかえすことで、その「貯金」は増えていきます。
 そうすることで、自己肯定感の芽が育つのです。

 自己肯定感があれば、これから10年の荒波「受験、就職、パートナー探し」をくぐりぬけ、その後もずっと強くしなやかに生きていくことができるでしょう。

 親の仕事は、そういう一生ものの財産を、子どもの心に残してあげることではないでしょうか。

 今回で、この連載は最終回。6回にわたりおつき合いいただき、大変ありがとうございました。


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