9割はアナログでも検索できる

 最近は、手書きのノートをスマートフォンで取り込んで、デジタルデータ化することも普通になってきました。中には名刺などの文字を自動認識するものもあるので、簡単に目的の情報を探し出すことができます。

 しかし、スキャンするにしろ、カメラで撮影するにしろ、デジタルデータ化するのはなかなか面倒です。裁断機みたいなものでノートをバラバラの紙の束にして、自動的にスキャンするような装置に突っ込むという手もありますが、それではノートが破壊されてしまいます。それ以前に、厚紙の資料や葉っぱなどが貼ってあるノートでは、うまくスキャンできず、できても「空気」は伝わらないでしょう。

 書く、貼るという点では、デジタルより紙のノートの方が圧倒的に便利です。また、入れた情報を引っ張り出す場合でも、ノートにちょっとした工夫をするだけで、9割方は問題ありません。

 ノートを読み返していつも驚くことは、手を動かして記録したことは、なかなか忘れないという事実です。たとえば打ち合わせの記録の場合、ノートに書かれてあるメモなどは、

[130720]S社K氏
・リーダー向けに書く
・わかっているけどできないという悩み
・意識づけるための具体的技術を語る

 といった断片的な情報にすぎないし、お店のショップカードなども、ただ貼ってあるだけです。それでも、そのとき見聞きしたことや状況などは正確に思い出すことができる。

 僕はよく、手書きした電車の乗り換えメモを家に忘れて外出することがあるのですが、たいていの場合、複雑な乗り換えでもすんなり思い出すことができて自分でも驚きます。

 一度手を動かして書いたことは簡単には忘れない。この性質を利用して、次のページような工夫をすれば、目的の情報を感覚的に探すことができます。

●「目次」をつくる
書籍のように、見返しや最初のページに目次を付ける方法。「日付ラベル」をノンブル(ページ番号)代わりにしてもいいが、自分でページ番号を振っておく方が探しやすい。

●フラッグを付ける
目次の代わりにフィルム付箋やマスキングテープを貼っておく。行ごとにカテゴリを分け、付箋の場所で対応させておくと、特定のジャンルの情報を次々と参照できる。

●小口を塗る
フラッグの代わりに、小口をフェルトペンなどで塗る方法。付箋のように取れてしまうことがないので、よく使うノートに適している。カテゴリの行と対応するページを参照する。(第4回へ続く)


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著者紹介
奥野宣之(おくの・のぶゆき)
1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを学んだあと、出版社、新聞社の記者を経て『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。独自の情報整理術や知的生産術がビジネスパーソンを中心に支持を集め、第2弾『読書は1冊のノートにまとめなさい』、第3弾『人生は1冊のノートにまとめなさい』と合わせたシリーズは累計50万部を超えるベストセラーとなった。
ジャーナリストの経験を活かし、ウェブや雑誌のライターとして活動するかたわら“ノート本作家”として、メディア出演・講演などでも活躍中。仕事に活かせるノートや文具の活用法、本とより深く付き合うための読書法、人生を充実させるライフログの技術、旅行や行楽を楽しむための旅ノート・散歩ノートの技術など、活動の幅は広い。趣味は古墳めぐりと自然観察。ついでに写真撮影。仕事だけでなく家庭や趣味でもノートを使いこなすライフスタイルは、NHKやTBSでも放送され反響を集めた。
その他の著書は『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』『知的生産ワークアウト』『「処方せん」的読書術』『新書3冊でできる「自分の考え」のつくり方』など多数。

著者エージェント:アップルシード・エージェンシー
http://www.appleseed.co.jp