「様子見」な態度の人は質問のレベルが低い

 インターネットを通じて簡単に応募できるようになったせいか、その企業を志望する動機の形成がなされていないまま面接を受ける人が増えています。ネットが普及する以前は渾身の力で手書きの書類を書き、封を閉じて祈るように郵送していましたが、今では応募することにそんな重みがなくなってしまったのです。

 そのため、面接の場に「とりあえず様子を見に来ました」という態度の人が増えました。さらには「個人と企業はお互いに選び合う対等な関係ですよね」と言って、不遜な態度で面接に臨む人も見かけます。

 確かに採用という場において、個人と企業は対等です。ただしそれはトータルに見た場合の話であって、内定が出る前は企業のほうが圧倒的に力関係は上です。なぜなら他にも候補者がいっぱいいて、選択肢がたくさんあるからです。その後、企業が内定を出した後は個人の力のほうが強くなります。当然他社も受けているでしょうし、内定を受けるかどうかの判断をするのは個人の側だからです。

 こうした力関係の機微を理解せず様子見の態度でいくと、高い確率で面接は失敗に終わります。人材あっせん会社にも「あの人、ウチに興味あるの?」「やる気がなさそうな人でしたね」「ちゃんと当社について事前に説明してくれました?」とクレームが入ります。

 様子見で面接に行こうとする人は、その会社のことを全然調べません。ゆえにどこの会社でも通用するような具体性のないチープな質問しかできないので、面接官にはすぐわかります。