第一印象がイマイチでも大丈夫
合否を左右する「第二印象」とは?

「人間は第一印象が大事」とよく言われます。もちろん面接でも第一印象は非常に大切ですが、これだけで採用が決まることはありません。それ以上に採否に影響を与えるのが「第二印象」です。私が命名しました(笑)。

 第二印象とは面接がはじまってから10分程度で相手に与える印象のことです。第一印象で面接官は「この応募者はこんな人かな」と予測を立て、その予測を検証した結果が第二印象になる、というイメージでとらえるとわかりやすいと思います。

 第一印象でしっかりした印象を受ければなぜしっかりした印象を受けたのかを確認していく質問が出てきますし、なにか暗い印象を受ければ「何か事情があるのかな?」と探るような質問が中心になってきます。この場面での質問の特徴は「なぜ」「どうして」が多くなることです。

 こうした質問への答えに対して面接官が受ける印象が第二印象で、「なぜ」「どうして」への答えがしっかり的を射て納得性のあるものであれば、第一印象を第二印象が上回り、面接は合格のゴールへと向かいだします。

 最初の印象はいま一つだったのに、話しているうちに「この人、いいな」と第一印象と第二印象がいい意味で異なってくるケースはたくさんあります。私の印象では第二印象がOKな人は8割方合格となり、ノーとなった人がそこから復活するのは非常に困難です。

以前にもお話ししたように、1日で4人、5人とたくさんの応募者と会う面接官はあまり相手の話を聞いていません。それは集中力の点で不可能だからです。ではどうしているかというと(多くは無意識のうちに)、最初の10分くらいで「この人の話を聞くかどうか」をジャッジしているのです。

 要はどのくらいのエネルギーをかけてその人の話を聞くかを決めているということで、面接官が「この人はとてもいい。もっと掘り下げてみよう」と思うか、「この人はちょっとうちではしんどい。でも15分で帰すのは失礼だから20分ぐらい話を聞いたら帰ってもらおう」と思うかどうか。それが決まるのが第二印象というわけです。

 したがって、面接では第二印象のジャッジをクリアする意識を持つ必要があります。少なくとも「いま一つよくわからないけど、もうちょっと聞いてみよう」、できれば「もっとこの人の話を聞きたい」と思わせなければいけません。面接官の興味のエネルギーをあげなければならないのです。