転職神話に踊らされ、青い鳥を追いかけて、「なんとなく」転職を繰り返してしまう転職ドリーマー。いったんこのような状態に陥ってしまうと、負の連鎖から抜け出せなくなってしまう危険性があります。転ばぬ先の杖として、転職ドリーマーに共通する8つの失敗パターンを認識することが重要です。
キャリアコンサルタント、人事部長がともに認める失敗パターン
前回お話ししたとおり、転職ドリーマーは転職神話を信じ込み、青い鳥を追い求め「なんとなく」転職を繰り返しています。これは、自分が転職ドリーマーであると気がついていないことを意味します。転職ドリーマーから抜け出すには、まず、それについて自覚することが大事です。
では、どうすれば自覚できるのでしょうか? 実は、転職ドリーマーの失敗パターンは、キャリアコンサルタントの間で驚くほど共通し、具体的ですので、自分があてはまっているかチェックすることは可能です。
筆者は、この転職ドリーマーの失敗パターンを人事部長たちが集まる勉強会で紹介したことがあります。人事部長たちの反応は、十分に納得できるというものでした。また、採用の面接で、失敗パターンにあてはまる傾向があればマイナスの評価をするとの意見もいただきました。つまり、キャリアコンサルタントだけでなく、人事部長たちも認めている内容なので、それなりに信憑性は高いものといえます。
それでは、転職ドリーマーが陥る8つの失敗パターンを見ていきましょう。
1 一見華やかな、広報、企画、マーケティングをやりたがる
転職ドリーマーの最大の課題は、軸(やりたいこと、できること)がないことだ、と前回お話ししました。軸が不明確である場合、自分が目指す専門性ということについて曖昧になってしまいます。自分が目指す専門性を理解したうえで、職種のやりたいこと、できることを考えていない場合、「広報、企画、マーケティングをやりたい」という発言につながってしまうのです。
なぜ、この発言が問題なのでしょうか。まず、職種の実態を理解していないということです。これらの職種は、新卒の採用面接でも社内公募でも人気職種です。しかし会社の中で人気職種に必要な人数は、ごく少数であることが多いのです。また、これらの職種は一見華やかに見えますが、むしろ仕事内容の本質は地道な業務である部分が多いのです。
ところが、転職ドリーマーはこうした実態を理解しようとはせず、いま担当している職種と比べてとにかく華やかなことがしたいだけで、とくに経験もないのに希望している場合が多いのです。