冬季五輪で日本勢が最も多くのメダルを獲得したのは1998年の長野大会。スピードスケート男子500mの清水宏保、スキージャンプ・ラージヒルの船木和喜など金5、銀1、銅4の計10個のメダルを獲得した。
しかし、その後3大会のメダル数は減った。2002年ソルトレイク大会は清水宏保の銀、女子モーグル・里谷多英の銅の計2個、2006年トリノ大会はフィギュアスケート女子シングル・荒川静香の金1個、2010年バンクーバー大会はフィギュア女子シングル・浅田真央、スピードスケート男子500m・長島圭一郎、スピードスケート女子パシュート団体の銀3、フィギュア男子シングル・高橋大輔、スピードスケート男子500m・加藤条治の銅2の計5個である。
だが、2月7日からロシアのソチで開幕する今大会はメダルに十分手が届く実力者が顔を揃えている。ひょっとすると長野大会の10個超えもあり得るのだ。
浅田真央vsキム・ヨナ
最後?の直接対決の行方は
まず、日本のファンが最も楽しみにしているのがフィギュア女子シングルの浅田真央とキム・ヨナ(韓国)のライバル対決だろう。浅田とキムは世界一を決める格の大会(ジュニアも含む)で過去14回対戦している。そこで1位になった回数は浅田が5回、キムは7回。順位が上の方を勝者としてみると、キムの8勝6敗。キムがやや上まわっているが、実力は拮抗している。同じ年齢(現在23歳)、ともにこの大会で現役引退をほのめかしていることもあり、その対決には注目が集まっている。
前回のバンクーバー五輪はキムが優勝し浅田は2位。キムの演技はすばらしく、この結果に異論はでなかったが、両者の得点に20点以上の大差がついたことには納得がいかなかったファンも多いだろう。専門家に聞くと、キムは現在のフィギュアの採点基準を徹底的に分析し、それに合致した模範的な演技をするという。さまざまな要素があるが、単純にいうとスピードのあるスケーティング、そのスピードを落とさずに行う正確かつ安定したジャンプ、そして表現力だ。
もちろん浅田もこの要素は高いレベルで備えているが、キムと比べると若干見劣りするらしい。この弱点を武器であるトリプルアクセルを完璧に決めることで補おうとし、3回のジャンプを成功させたかに見えたが着氷が完全ではないなど小さなミスがあったという。これが大差で敗れた要因のようだ。