現在、わが国家電メーカーが抱える問題の原因の1つは、スマートフォンやタブレットPCなどIT関連製品で出遅れたことだろう。わが国メーカーは、それらの“売れ筋製品で”アップルやサムスン、さらには台湾、韓国メーカーに勝てない。それは、スマートフォンなどの輸入額の増加傾向を見ても明らかだ。

 それは家電メーカーだけではなく、DRAMや液晶パネルなどIT関連の部材メーカーにもマイナスの影響を与える。国内メーカーが海外企業と取引をする場合には、企業風土の異なる相手との手段をまとめることが必要で、輸送費や為替変動のリスク負担など追加的なコストの発生も考えられる。

 IT部材メーカーの経営者にヒアリングしたとき、「国内の大口取引先がほとんどいなくなって、ビジネスがやりにくい」と言っていたのが、印象に残っている。

掃除機やから揚げ機まで外国製に
量販店でも色濃い日の丸家電の劣勢

 もう1つ、最近家電製品で気づくことは外国製品が多いことだ。かつて家電量販店に行くと、わが国の有力家電メーカーの製品ばかりが並んでいたことを覚えている。ところが、最近では外国製品が目白押しだ。

 しかも、その多くが売れ筋のベストテンにランクされている。日本人は今から数年前まで、そうした状況になるとは思いもしなかっただろう。

 たとえば、掃除機ではダイソン製の掃除機がいくつも展示されている横に、アイロボット社のルンバがしっかり置かれている。担当の店員さんに聞いてみると、「最近、外国製の家電製品がよく売れる」と嬉しそうに話してくれた。

 あるいは、「油を使わずにから揚げができる」とのキャッチコピーで人気を博している「ノンフライヤー」なる製品は、わが国メーカーではなくフィリップス社製だった。