②日中・日韓関係は一層悪化

 2013年12月26日の安倍首相の靖国神社参拝の影響は大きく、欧米の批判も高まったこともあり、中韓では日本を疎外する動きが急速に勢いを増す。それ以前にあった中国での地方を中心に日本の投資を求める動きや、韓国や日本でも徐々に東アジアの国際関係を正常化するべきだという声も政策にはつながっていかない。集団的自衛権の見直しを巡る議論も、靖国参拝を巡る中国、韓国からの批判の高まりにより夏以降に持ち越される。米国は日中、日韓関係の修復に向けて仲立ち努力を本格化するが、関係の停滞は続く。

③中間選挙を控え
米国議会の保革対立は厳しさを増す

 11月の中間選挙に向けての選挙戦は、民主党と共和党の妥協をますます困難にする。特に財政赤字の抜本的解消策を巡り、保革の対立は解消されない。茶会党は歳出削減につき引き続き極めて原則的立場を貫き、中間選挙に至る予備選挙を勝ち抜くため共和党候補者はこれに引っ張られ、民主党との溝は拡がる。

④イラン核問題で
包括的合意が成立する

 5月末を期限とする包括的合意に向けての交渉は、イラン国内でのウラン濃縮を低濃度に限り認めるか否か、認めた場合の検証方法、イラクの実験用重水炉の軽水炉への転換問題、米国の制裁解除の幅などを巡り難航するが、結果的にはギリギリの合意がなる。米国とイランは引き続き、外交関係再開を含む幅広い分野についての二国間対話を続けることに合意する可能性もある。

⑤シリアの化学兵器廃棄については
夏までの廃棄は完了せず再び緊張が高まる

 オバマ大統領は「シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを超える」と述べたが、化学兵器が使用された後、米国の懲罰的軍事行動の是非を議会に委ねた経緯がある。その際は、ロシア提案により国際的廃棄プロセスの合意が達成されるが、内戦の継続によりシリア内での化学兵器廃棄、シリアからの搬出は徐々に困難を増し、合意された夏の期限には間に合わない。化学兵器の廃棄とアサド大統領の退陣問題は、再び課題に上る可能性が高い。いずれにせよ、基本的にはイランに加えシリアでも米国は交渉による解決を志向していこうし、イラン・シリアを脅威と感じるサウジアラビアの米国からの離反は、加速度的に進む可能性がある。