それぞれ説明すると会社のプロパガンダになってしまうので控えるが、例えば「4.仕事を選ぶ権利がある」は、弊社の場合ちょっと変わっていて、まず弊社宛に仕事の相談が来た場合、社長が『ぜひ引き受けるべき仕事』か、『希望者がいれば引き受ける仕事』か、『断るべき仕事』かを判断する。『希望者がいれば引き受ける仕事』については、仕事内容をヒアリングし、週に1度開催する会議で発表され、希望者がいればその場で担当者を決める。誰も希望者がいなければ、この案件は引き受けない。この作業があることで、仕事を自分達で選ぶことができるというわけだ。『引き受けるべき仕事』も同じ要領で希望者を募る。

 これらのことは社員の承認欲求を満たすために考えたことではなく、各社員がモチベーションを高く持ってもらった方が良い成果物ができ、結果としてクライアントの満足度が上がると考えたからだが、モチベーションと相関関係の高い承認欲求を満たす結果にもつながっているのだろう。

 これら、職種上の特色や、会社独自の特色が、給料の割に満足度の高い会社となったのだろう。年功序列の維持やポストの創出などが難しくなってきているこれからの時代は、例え給与が昇給しなくても、社員に満足してもらう職場を作る方が大切だ。そしてそれは企業の財政ではないところで実現可能なのである。

 例えば職場の人間関係はそれほどお金をかけずに向上することが可能であろう。お金をかけるとすれば、社内の交際費の金額を増やすぐらいのことだ。経営や管理はコストパフォーマンスの向上が命題なのだから、コストをかけずにパフォーマンスをあげることが可能なら、どんなことでも挑戦してみるべきである。

『やりがいの搾取』の危険性
打開法の1つは徹底した能力給制度

 一方で、このようにモチベーションを上げるための施策を行って成果を上げるやり方は『やりがいの搾取』とも批判される。実際にそういう職場も多いだろう。それを回避する方法は様々なものがあるだろう。

 弊社の場合で言えば、徹底した能力給の導入である。能力給というよりも、“売上給”だ。弊社の場合は、社員それぞれの売上の○割を必ず所得で保障するようにしている。自分の給与以上に稼いだ人には年2回のボーナスで、これを調整する。これは出版業で著者に支払われる印税契約がおおむね一律であることに学んだ。こうすれば、働ければ働くほど金銭で還元されるので、「やりがいの搾取」ではない。