ダイヤモンド社刊 2400円(税別) |
「起業家たる者は、イノベーションのための組織をつくりマネジメントしなければならない」(『断絶の時代』)
われわれは、共同作業のために人間のエネルギーを組織する方法を学んだ。特に、すでに知っていることを効果的に行なうための組織の使い方を学んだ。
これは一つの大きな進歩であって、今日の社会はこの能力に依存している。しかし、いまやわれわれは、イノベーションのための組織をつくる必要がある。
イノベーションを行なうには、組織全体に継続学習の風土が不可欠である。イノベーションを行なう組織では、継続学習の空気を生み出し、それを維持する。ゴールに達したと考えることを許さない。学習を継続すべきプロセスとする。
変化への抵抗の底にあるものは無知である。未知への不安である。
だが、変化は機会と見なすべきものであって、変化を機会としてとらえたとき初めて不安は消える。
トップたる者は、部下の声に耳を傾け、元気づけなければならない。想像を理解に、直観をビジョンに、意欲を成果に転換するために自ら働かなければならない。それは、ひらめきではない。体系的な活動である。
「判断することを仕事とするトップは、アイデアを拒否する。現実的でないとする。イノベーションを可能とするのは、生煮えのアイデアを体系立った行動に転換することを自らの仕事とするトップだけである」(『断絶の時代』)