ACP=アドバンス・ケア・プランニングを
医療点数票に組み込め

 ところで、超高齢社会では、終末医療の問題を避けては通れない。世代別1人当たり年間医療費を見ると75才以上が89.2万円と突出しており(次は45~64才の27.6万円)、しかも75才以上人口は2013年の1560万人から、2025年には団塊世代が後期高齢者入りを果たすことから、1.4倍の2179万人にふくれあがることが想定されている。

 以前当コラムでACP(アドバンス・ケア・プランニング)について述べたが、超高齢社会では、高齢者が残った人生の過ごし方を、元気なうちからよく考えておく必要がある。ACPは、決して医療費の節減といった短視眼的な観点からではなく、人生をいかに有意義に生き抜くかという、人間の尊厳に関わる観点から真摯に考えるべき事柄である。ある医師の本で読んだが「自分の生存能力を超えて生かされていることほど、人間にとって残酷なことはないのだ」と。そうであれば、世界の中で超高齢社会の先頭に立つわが国は、この際思い切ってACPを医療点数票に組み込んではどうか。

 例えば、主治医機能の評価の中に、ACPの作成及び更新(年1~2回を限度)として、2000点(2万円)ないし3000点(3万円)程度を付与すれば、一気にACPが普及するのではないか。ACPの作成・更新が、かかりつけ医の主たる役割の1つであるという意識付けを行うためにはインセンティブ(報酬改定)が欠かせない。

 なお、ACPの雛形は、専門家を集めて集中審議を行えば、1年もかからずに作成できるだろう。加えて、患者のカルテについては早く電子化して、主治医のところで集中管理することが望ましい。カルテが一元化されれば、より個々の患者に見合ったACPがスムーズに作成できるようになるだろう。

公営住宅をコレクティブハウスにして
高齢者のコンパクト化を図れ

 ホスピス財団の意識調査によれば「自宅で最期を過ごすための条件」のトップは「介護してくれる家族がいること」であった。しかし、わが国の世帯構成を見ると、32%が1人暮らしとなっている。また子どものいないカップルも19%いる。実に合わせて50%以上の人が最期は「おひとりさま」で迎えることになるのだ。これでは自宅で最期を迎えることなどできそうにない。では、どうするか。