これも以前当コラムで論じたが、おそらく方法は1つしかあるまい。公営住宅をすべてコレクティブハウスにすることによって、1人暮らしの高齢者を集めてコンパクトシティを実現するのだ。

 コレクティブハウスの家賃を政策的に調整すれば、例えば学生等若者との混住も十分可能であろう。いわば政策的に疑似家族を作ることによって、高齢者の自立を促す仕組みをセットするのだ。高齢者がコンパクトにまとまっていれば主治医の往診も容易であろう。

 なぜ、高齢者専用の特定施設やグループホーム等ではなくて若い世代と混住する公営のコレクティブハウスなのか。これも医師の本で読んだのだが、「欧州の老人ホームでは、ケアマネージャーが朝になると入居者を正装させて(男性はネクタイをしめて)部屋から出るように促す。部屋のベッドで自由に休めるのは医師の指示があった場合に限られる。高齢者も普通の社会生活を毎日規則的に営まないと刺激がなくなり、老化が進むだけなのだ」と。

 若い世代と触れ合うことによってのみ、高齢者も元気で過ごせるのだ。だからこその混住であり、当然のこととして、このような公営のコレクティブハウスは町の中心部に建設すべきであることには論をまたない。在宅医療を充実させ、これまでの「病院完結型」から超高齢社会に見合った「地域完結型」の医療へと転換を遂げるためには、医療と住宅政策(混住。これまでの郊外の庭付き1戸建住宅やマンションを「所有」することから、家具付き賃貸住宅やコレクティブハウスへの入居への転換)をワンセットで考えることが必要だと思料するがどうか。

(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)