「聞いたことのない会社だからダメ」
「幼稚園で恥をかく」と反対する妻
「妻が反対するので……」
そんな理由でせっかく内定が出ても辞退したり、転職活動をあきらめたりする人が目につくようになりました。私たちはこれを「嫁ブロック」と呼んでいます。
最近、転職のお手伝いをしているなかで傾向として感じることの1つが「妻の影」の増大です。男性候補者の転職活動において、奥さまの影響力が強まっているのです。
一家の家計を預かっているのが妻であると考えると転職活動に妻の影響が及んでも別に不思議ではありません。しかし、昔はこうした現象はありませんでした。昔も今も妻が家計を預かっているとすれば、夫と妻の力関係に変化が生じているのかもしれません。
先日も妻に反対されたという理由で内定を辞退した候補者がいました。
「来年から下の娘が幼稚園に入るので、転職はやめてくれと言われまして……」
この方は誰でも知っている大手企業からベンチャーへの転職を考えていたので「収入減がネックなのかな」と思いましたが、よく聞いてみると根本的な反対理由は斜め上のところにありました。
「せっかく大手企業の肩書きがあるのに、わけのわからない社名になったら幼稚園で恥ずかしい思いをするから嫌だ。そう言ってききません」
このケースのように、いま勤めている会社の社名にこだわって嫁ブロック発動、というパターンはけっこうあるものです。
「そんな聞いたことのない会社、実家の両親にどう説明すればいいの!」
「小さな会社じゃ30年後にあるかどうか、わからないじゃない!」
また、「ママ友から反対されたから」というのもよくある理由です。自分自身の意見が反対の根拠でないのは驚きですが、周囲の目を過剰に気にしている点では社名にこだわるのと同じです。