東京のど真ん中で
技術経営のプロフェッショナルを育成

 今回紹介するのは、夜間・土日開講の学校。東京の大学院であることをまず強調しておきたい。おそらくこの学校名から、少なからず誤解の可能性があるだろうからだ。

 国立大学である北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の、大学院知識科学研究科(東京サテライトキャンパス・社会人向開講コース博士前期課程)。その技術経営=MOTのコースが、東京のど真ん中といっていい立地にある。

 港区芝浦の住所は、JR山手線・京浜東北線田町駅から徒歩1分、都営地下鉄三田駅から徒歩5分。ここ数年のリバーサイド開発・再開発によってプチ丸の内化したおしゃれな街のビルが、北陸先端科学技術大学院大学の東京サテライトキャンパスである。キャンパス・イノベーションセンターと呼ばれるこのビルは東工大=東京工業大学田町キャンパスの建物でもある。その3階、4階にJAISTのサテライトキャンパスが入居しているという構造だ。

 とはいえ、単なる間借りではない。平成2年に開学した、先端科学技術分野における国際的水準の研究を行うために設立された日本で最初の国立大学院大学である北陸先端科学技術大学院大学は、そもそも東京工業大学にずっと準備室が置かれていた。別組織であるとはいえ、ルーツは東工大だといってもさしつかえないだろう。メインキャンパスは石川県能美市にある。そのJASISTが、あえて東京に開講しているコースのひとつが、この技術経営(MOT=Management of Technology)コースである。

 純然たる「先端技術」が、現実的な「経営」に出会う界面にあるMOTのフィールドを東京にもとめたのは、ひとつの見識である。知識科学を基盤としながら「技術の分かる経営者、経営の分かる技術者」として幅広い視野と見識を持った高度の技術経営のプロフェッショナルを育成し、イノベーションを創出する大学院である。このコースは平成15年10月に設立された。