秋に入り、そろそろ来年4月入学の大学院入試も本格化して来た。今回紹介するのは、現在の日本で有数の人気を誇る、在京の『MBAコース』である。「早稲田大学 大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻マネジメント専修(夜間主)」という正式名称のこの大学院は「早稲田のMBA」と呼んだほうが通りがいいだろう。
日本を代表する私学の雄=早稲田大学の大学院であり、取得学位の英語名称はそのものズバリのMBA(Master of Business Administration)。夜間であることで軽く観られることがなく、かえって在職したまま学べることが人気の原動力になる。常勤者として満3年以上の実務経験を有することを出願の要件としており、その在籍者のバックグラウンドや勤務先の知名度の高さが評価の高さにつながる。社会人にとって、まったく隙のない造り込みといっていいだろう。人気にならないほうがおかしい。
そもそも早稲田大学ビジネススクールは、早稲田大学大学院商学研究科として2001年度に「プロジェクトコース」という名の課程を開設し、大学卒業後の実務経験3年以上の社会人を対象にした教育を実施してきた。このコースが2004年度より、MBA(Master of Business Administration)学位を取得できるプロフェショナルコースに衣替えした。
2007年度には同大学のアジア太平洋研究科MBA/MOTプログラム(国際経営学専攻)と統合し、商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻=早稲田大学ビジネススクール(WBS)を設置。プロフェショナルコースは「夜間主コースのMBAプログラム」となった。すなわち現在でも昼間のコースも存在するMBAコースのラインナップ中、夜間主コースの人気が高いということになる。
「テーマ別モジュール」で
専門家の育成を図る
カリキュラム上で目を惹く特徴は、「テーマ別モジュールの『専門科目群』」。共通の「基礎科目群」と別に設定されたこの『モジュール』は、年度ごとに一部置き換えを行い多様なジャンルの専門家の育成を図るものだ。志望者は出願の時点で、希望モジュールを選択する。
ちなみに、2010年度の募集モジュールは「経営戦略系」「競争戦略系」「人材・組織マネジメント系 」「マーケティング分析系 」「ダイレクト・マーケティング戦略系 」「マーケティングマネジメント系 」「グローバル・サービスビジネス系 」「コーポレート・ファイナンス系 」「企業財務会計とマネジメントコントロール系 」「企業価値の評価と経営系」。高い専門性を持ったMBAホルダーの育成を目指すいっぽう、すべてのモジュールが毎年募集するわけではない。