男女が平等に働ける環境を目指して

 対話の場をリードしコミュニティや組織の再生強化、ソーシャルイノベーションを支援することを目的とした、「Art of hosting」(アート・オブ・ホスティング)の共同創始者である、トカ・モーラさんに話を聞きました。

 トカさんは、デンマークだけでなく、日本も含めた海外で様々なテーマにおいて対話の場を創ることで活躍され、カオスパイロットでもその手法を教えています。男性の家庭と職場における役割をどのように捉えていますか? と聞くとこう話してくれました。

「この質問に答えるというのは、デンマークでの現状を見たあとに、どうすれば日本で日常生活において男性と女性がより平等な関係を築けるかということになると思います。

 これはとても重要なことなので、より深い視点で話したいと思います。世界中でこの不平等が苦しみを与えています。明らかに女性に、ですが、男性に対してもそうです。彼らはそう認めないかもしれませんが。それが背景にあります。

 これらのマインドセットをシフトするためには、いくつかアプローチする層の違いがありますが、その内の一つは歴史的な理解です。日本で女性が選挙権を得たとき、なぜこのパラダイムシフトが起きたのか、その時代を生きた世代の人たちに話を聞き、助言を得ることです。

 同時に、このパラダイムシフトに地球上で人間としてどう経験しているかを考えることが大切です。日本人、デンマーク人、国籍は関係ありません。私の経験では、男女平等が起きるのは、私の女性に対する自分の視点からです。

 男性が美しい女性を見るのが好きで、女性が男性を見るのが好きというのは、動物としての本質的な感覚の一つです。しかし、その友達で、仲間で、妻で、パートナーでもある女性たちを私は女性として見てはいません。人間として見ています。

 また、私と平等な関係を築いている女性たちは、私を男性としてではなく一人の人間として見ています。女性がより自由になるために男性のマインドをシフトさせるためには、行動そのものを変えるだけではなく、どの人間も、上も下もないという考えを持つことです。それは男性が自分を男性として見るのではなく、人間としてみることです。また女性を女性としてではなく、人間として見ることなのです」