今年の冬は記録的な大雪で大変でした。それでも、もう3月。いよいよ春の訪れも間近です。
3月と言えば、卒業の季節です。
卒業は、次への飛躍を意味します。が、同時に、これまで慣れ親しんだ様々な事柄や友人との別れもあります。赤面する恥ずかしい事もあったでしょうし、教訓を学び成長もしたでしょう。卒業には、希望と悲哀の両面があります。卒業式では、そんな複雑な思いに涙が溢れることもあるでしょう。
花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ
これは、昭和の天才歌人・寺山修二が『ポケットに名言を』の中で井伏鱒二「詩集」から引用したものです。が、もともとは、唐代後期の詩人・于武陵(ウ・ブリョウ)の“勧酒”という詩を井伏が訳したものの一節です。出会いがあるからこそ、さよならがある、とも言えます。
要するに、誰の人生も、出会いと別れのタペストリーの如きもので、それぞれの模様にはそれぞれの人生の色合いに染まっているということでしょう。
既に世に出て何年も経っているビジネスパーソンも、この季節になると、卒業した頃が懐かしくなります。何年も会ってない友人の一言を思い出したり、初心にかえってみるのも悪くないでしょう。
と、いうわけで、今週の音盤は、森山直太朗「さくら(独唱)」です(写真)。