羽田の国際線の増便で恩恵を受けるのは、首都圏に住む人だけではない。羽田からの国際線が増えれば、地方から羽田経由で海外に行きやすくなる。羽田の再国際化が始まった10年まで、地方に住む人は国内線でいったん羽田に飛び、地上交通で成田まで移動して海外へ向かわなければならなかった。

 この煩わしさから、地方では、韓国の仁川空港(ソウル)を経由して海外の目的地へ向かうルートがはやっていた。仁川と結ばれた日本の地方空港は20以上ある。

 しかし、運輸政策機構の調査によると、10年に羽田が再国際化して以降、日本の地方から海外に行く人は仁川経由から羽田経由に移りつつある。国際線に乗る人の仁川経由の比率は、中国・四国地方では10年の11%が11年には3%に、九州・沖縄地方では10年の15%が11年の8%に減っている。

 日本で乗り継いでもらうため、日系エアラインは国際線への乗り継ぎを目的とした国内線に割引運賃を出している。JALは片道5460円、ANAは往復1万円と破格の運賃で利用できる。

ANA羽田国際線が大幅増
JALは成田便強化で巻き返し

 便利になる羽田だが、利用するエアラインやアライアンス、行き先によって利便性に格差が生じることになりそうだ。

 空港の発着枠を配分する国土交通省は、国の支援で再生したことで業績が絶好調のJALと、ANAとの業績格差を考慮して、ドイツ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カナダへの発着枠をANAにのみ配分した。発着枠の傾斜配分の結果、単独の会社としてはANAが28%のシェアで最大となった。