当面の人事課題に沿って、人材育成のために必要なのは、研修なのか教材なのか。

 研修だとすれば、それはだれを対象に、何日ぐらいかけるべきか。予算はどれぐらいか。

 そんな、あらかじめ明確ではないニーズと、相手の状況と条件を知るために、営業マンはヒアリングを重ねます。

 ソリューション営業と呼ばれる営業手法には、とりわけ、そのようなプロセスが欠かせません。

「じゃあ、キミもその教えを実行して成功した、というわけだね?」

 そうH.K氏に聞きました。

「まあ、いつもいつもというわけにはいきませんけど。でも、年に数回ですが、自分のシミュレーションがスコーンとはまることがあるんですわ。顧客の買い替えサイクルを考えて、どう話を持っていって、どんな話をして、というのを頭の中で組み立てるんですが、はまった時は、それは爽快です」

足しげく訪問して
課題をもらえる間柄になれ

「相手を喜ばせることは何なのかを考える。それは女も営業も同じでしょう。自分の武器を持つ、ということにもつながることで、不細工な男がなぜもてるか。顔は武器にならないから、トークだとか、笑いだとか、何かないか、と考えるわけですよ」

 それを営業になぞらえるなら、仮に自社製品が他社のそれより劣っているとして、では何で勝負するのか、値段なのか、サービスなのか、考えるべきポイントはさまざまです。

 自動車に限りませんが、製品の機能、性能に、さほどの差はない、ということが、あるものです。

 そんな時に顧客がA社でなく、なぜB社を選ぶのか。

 そこに営業マンという人の力が関わります。

「Sさんには、“客は教育するもんだ”とも言われました」