「民主的解決」は数年前、某家電メーカーが清算時に採った手法だが、従業員との「話し合い」が仇となり、補償金額がどんどん吊り上げられた。また、一方で、案を出したなら最後まで踏ん張るのが得策だ。

「初志貫徹しようとすれば対立を生み、従業員からの袋叩きを覚悟しなくてはならないでしょう。しかし、たとえ従業員に囲まれ軟禁されてもせいぜい2日が限度、iPadやゲーム機など楽しめるものを持ち込んで気長に対応するのが肝心です。要は、“提示金額は変えない”という態度を徹底して貫くこと、そうすれば従業員も根負けして合意解除に応じます」と、高居氏は主張する。

 さらに、団結させない、作戦タイムを与えないためには、金額の提案をしてから合意までのリードタイムを3日以内とすることも肝要だ。

 撤退の戦術を高居氏は「武田信玄の風林火山だ」と言う。孫子の兵法に由来する「風林火山」は、中国においても有効な戦術である。

「疾(と)きこと風の如く」=スピード
 「徐(しず)かなること林の如し」=秘密裏に行動
 「侵掠(しんりゃく)すること火の如く」=勢いを持って団結を解く
 「動かざること山の如し」=案を翻さない

 果たして、日系企業はこの最後の闘いで首尾よく勝利を収めることができるだろうか。

「そう簡単に中国を切り離せない」
このご時世に新規ビジネスも

 2012年まで「中国進出」に大きく振れていた振り子は、それ以降「中国撤退」に振れるようになった。日本企業はブームやムードに左右されやすいとも言うが、進むも退くも、やはり今が判断のしどころなのだろう。