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オープンデータの実像

オープンデータで市民が市政に積極的にかかわる千葉市の取り組み

澤内真人 [日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]
【第2回】 2014年3月18日
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 2つ目として、ユニークな取り組みを検討しています。それが、税負担シミュレータ「税金はどこへ行った?(仮)」です。これは、年収や世帯構成などをWEBサイト上で設定(入力)すると、自分の払った税金が「どの分野に」「いくらぐらい」使われたかを知ることができるサービスで、一部の事業については、支払った金額と実際に公共サービスで受け取った価値の差を比較する機能を組み込むことも検討しています。自らが納めている税金をシミュレートすることで、市政や税に対する市民の理解度を高め、関心を持ってもらうことを目的としたものです。

 このように千葉市では、第一の方向性である「市民協働型事業」を通じて、人と人との絆が薄れつつある都市型コミュニティにおいて、「相互扶助」の意識を育てると共に、安心で快適な住みやすい街づくりを目指しています。これらを組み合わせて市民と市役所が相互に、しかも能動的に係わっていくという社会を実現するために、情報公開と市民参加をセットに推進しています。

コンセプトは「ガバメント2.0」

 行政が保持しているデータを「再利用しやすい形」で公開し、企業や住民が利用し、行政サービスに住民の力を活用したり、住民が政策決定に参加したりするという考え方は「ガバメント2.0」と呼ばれています。「ガバメント2.0」を実現させるためには、データを共有しやすくするための「プラットフォーム化」が必要だと言われています。東日本大震災以降、特に重視されています。

情報応用ビジネスの狙いは産業振興

 オープンデータ活用において、千葉市が掲げた方向性の2つ目は、「情報応用ビジネス」です。この狙いは、ずばり「産業振興」で、行政が蓄積した情報を公開することにより、それを活用する新しいビジネスの創出が期待されます。

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澤内真人
[日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]

国内システムインテグレータにて、ネットワークエンジニアとして大手通信キャリアのネットワーク設計・構築、また運用設計を支援。日本オラクル入社後は、データベースプロダクトマーケティング、「Oracle Exadata」の国内ローンチやビジネス開発を行い、2013年から公共・教育・医療分野においてテクノロジー製品に関するビジネス開発を担当。現在に至る。

オープンデータの実像

2013年6月にイギリスで行われたG8サミットで「オープンデータ憲章」が採択された。以来、世界中でオープンデータへの取り組みが活発化している。憲章に謳われた「政府及び企業に対して人々が説明を求める能力強化」、つまり情報の透明性の向上やデータへのアクセスを容易にすることによって、社会はどのように変わっていくだろうか。さらに、行政サービスの向上や新たなビジネスチャンス/イノベーションの創出への期待も高まる。グローバル先進事例を専門家が解説する。

「オープンデータの実像」

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