正当な要求をするお客様から、日頃の不安や不満で怒りを爆発させるクレーマー、金品目当ての輩まで、苦情を訴えてくる人々はさまざま。この連載では、クレームの最新事情を踏まえて、もっとも効率的に対応するための基本となる「5つの行動原則」を紹介していく。今回は基本の行動原則その1。
なぜ、いつまで経っても「出口」が見えないのか?
「こちらに非はないと思っていても、100%の確証があるわけじゃない。どう折り合いをつければいいのでしょうか?」
「お客様から厳しい口調で責め立てられると、なにがなんだかわからなくなり謝ってばかり。いつのまにか、法外な要求をのまされています。悔しい!」
「ウチとは関係ないことで、文句や愚痴を延々と言い続ける常連客。ほかのお客様に応対できなくて迷惑していますが、話に付き合わないと逆ギレしてわめき散らします」
私のもとには、クレーム対応に苦慮する現場の担当者から、さまざまな悩みや相談が持ち込まれます。なかには、そのストレスからウツ状態になっている人もいます。
誰でも、クレームを受けるのは楽しいものではありません。たとえ、クレーム対応が担当業務である「お客様相談室」のスタッフであっても、「今日はどんなクレームが来るのか、楽しみだな」という人はいないでしょう。それは、私も同じです。
ただ近年、クレーム対応が、以前とは比べものにならないほど難しくなっているのも事実です。なぜでしょうか?