「お客様は神様」だが「貧乏神」や「疫病神」もいる!

 クレーム対応が難しくなっているのは、一言でいえばクレーマーの「属性」や「目的」、さらに「手口」が多様化しているからです。

 かつて、悪質クレーマーといえば、その多くは暴力団などの反社会的勢力が後ろで糸を引く、金銭目当ての輩でした。ところが、1992年に暴力団対策法が施行されて以来、めっきり影が薄くなり、一部は一般市民を装って活動するようになりました。

 その一方で、もともと善良な市民だった人々が、日頃の鬱憤を晴らすかのように嫌がらせをしたり、プロ顔負けの手口で金品をかすめ取ったりするようになりました。

 あるいは、悪意はなくても不安や過剰な思い入れがクレームとなるケースもあります。クレーム担当者は、たまったものではありません。

 また、インターネットの普及で、ネット空間はクレーマーの温床になっています。インターネットを通じて、誰もが簡単に悪評をまき散らすことができるからです。

 お客様は神様――。ちょっと古くさい言い回しですが、「顧客満足(CS)」の考え方が浸透したいまこそ、お客様を神様扱いしているのかもしれません。問題は、この神様のなかに「貧乏神」や「疫病神」がいることです。

 では、どうすればいいのでしょうか?