ウクライナが抱える問題。
「経済はロシアに依存。でも独立したい」
こうしてEU加盟交渉が行き詰ったあと、今度はロシアから甘い誘いが来ます。
「財政支援してあげるよ。財政改革しなくていいから。天然ガスも安くしてあげるし…」
この結果、2010年の大統領選挙では親ロシア派のヤヌコヴィッチが僅差で復活当選します。ロシアから150億ドルの財政支援を提示され、EU加盟交渉を打ち切りました。しかし今度は親欧米派が猛反発し、今回(2014年)の政変でヤヌコヴィッチ政権を打倒したのです。
また同じことの繰り返しです。ウクライナ親欧米政権に対し、ロシアは天然ガスの供給を削減するでしょう。EUに加盟を申請すれば、「財政赤字が3%を越えているからダメだ、財政改革しろ」と迫られる。ウクライナ本土は暖房にも事欠くという状況が続きます。
経済的にはロシアに依存しつつ、ロシアからの政治的独立を求めるところに、ウクライナが抱える根本的な矛盾があるわけです。
※本記事は、『経済は世界史から学べ!』のディレクターズカットです。
(次回掲載は、未定です)
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