利益水準が切り下がってきた背景としては、(1)内需が成熟し、ピークアウト傾向にある、(2)中国での生産能力拡大等に伴い、海外要因での製品および原料市況への影響が高まっている、といった変化が挙げられる。紙・板紙内需は2000年3196万トンとピークをつけ、その後2007年までは緩やかな増減を繰り返した。2006年の内需は3194万トンと2000年に迫る水準に達した。しかし、リーマンショック勃発後の2008年以降、内需は減少トレンドを辿り、2012年の内需は2775万トンにまで縮小(図2)。大手製紙企業を中心に設備集約を進めるも、需給バランスがなかなか均衡しない状況が続いてきた。

出所: 日本製紙連合会、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ

 一方、その間に中国の生産能力が飛躍的に拡大し、世界の製紙業界環境は大きく変化した。中国の紙・板紙生産量は2000年時点の約3000万トンから2012年には約1億250万トンと3倍強になり、世界一の生産国となっている。品種によっては、生産能力が国内需要を超過し、輸出が増加。特に、印刷用紙の主力品種であるコート紙については、日本へも中国からの輸出品が流入し、2012年までの円高下では、価格下落圧力となった上、需給均衡が一段と取りづらい状況となった(図3)。段ボール原紙では、輸入品こそ極めて少ないものの、中国の旺盛な古紙需要により、主要原料である段ボール古紙のコストが海外市況によって変動するという事象が出現している(図4)。

出所: 財務省、日本製紙連合会、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ
出所: 財団法人古紙再生センター、会社資料、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ