堀江貴文氏 Photo:SANKEI
「知り合いの若手資産家でFIREを目指している人はいない」――。そう断言するのは実業家の堀江貴文氏だ。労働から解放された自由な生活よりも、はるかに有意義なものがあるという。堀江氏が幸せな人生をつかむための投資の正解について解説する。※本稿は、堀江貴文『あり金は全部使え』(マガジンハウス)の一部を抜粋・編集したものです。
「無職のまま生きて幸せなの?」
FIREを否定する堀江氏の人生論
近年、FIREというライフスタイルが、世界的に話題となっている。「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を合わせた造語で「経済的な自立と早期リタイア」という意味になる。
FIRE思想の起源とされるのは1992年、アメリカ出身の作家ジョー・ドミンゲスとヴィッキー・ロビンが書いた『お金か人生か(Your Money or Your Life)』という本だと言われる。社会投資家でもあるふたりは、投資運用で生活できる、一定のお金を持つことができれば、それ以上は働く必要がないと説いた。
過剰な消費の削減と持続可能な社会の実現を目指す、社会的な潮流とも合致して、若い世代を中心に絶大な支持を得た。原著は100万部を超えるベストセラーになり、FIREは経済至上主義に疑問を抱えていた新世代の、お金に縛られない生き方の指針となったのだ。
FIREを実現するには、基準があるという。「年間支出の25倍の資産」を築き、その段階から投資を始め、4%の利回りをキープする。生活費など支出金を利回りの4%以内に抑えることができれば、運用益と出費が均衡し、資産は目減りせずに寿命まで生活できるというわけだ。







