雨の日の友が真の友

 レスター・ケーニッヒとアートペッパーの友情は、最晩年まで続きます。

 ペッパーの人間的な弱さは変わらず、麻薬常習により前後15年に渡って収監されてしまう訳ですが、1975年に何度目かのカムバックを果たした時も、ペッパーを支えたのはケーニッヒでした。

 1975年発表の「リヴィング・レジェンド」(写真右上)は15年ぶりに吹き込んだペッパーのリーダー作。その時もケーニッヒがプロデュースしました。

 ペッパーはそんな恩人レスター・ケーニッヒに対して“ブルース・フォー・レス”及び“モア・フォー・レス”という曲を創って捧げています。これらの曲は伝説の「ヴィレッジ・ヴァンガード・セッションズ」(写真左)に収録されています。

 56年の生涯の多くを麻薬で犠牲にしながらも、死の間際まで音楽を続けたアート・ペッパー。

プレイしているその瞬間ごとに生まれる新しいアイデアやフィーリングを、自由に表現すること。それは非常に芸術的で創造的なこと」という彼の言葉が胸に沁みます。

(音楽愛好家・小栗勘太郎)