レストランにショッピング、美容院など、あらゆるローカル情報を網羅する口コミサイト「Yelp(イェルプ)」が9日、満を持して日本に上陸した。サンフランシスコから始まり、米国の主要都市でカルト的な人気を獲得。欧州や豪州でも展開するイェルプには、現在、月間1億2000万人がアクセスし、累計で5300万件の口コミが蓄積されている。イェルプが成長してきた秘訣と、日本市場での成功への野望をジェレミー・ストッペルマンCEOに聴いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 森川 潤)

食べログにない分野の
代替案になっていく

Jeremy Stoppelman
ジェレミー・ストップルマン
1977年生まれ、米国バージニア州出身。イリノイ大学卒業後の2000年に PayPal(ペイパル)に入社し、エンジニアリング担当の副社長に就任。2004年にPayPal(ペイパル)で同僚だったラッセル・シモンズと共同で イェルプを設立した。
Photo by Naoyoshi Goto

――なぜ、今日本に上陸することを決めたのですか?

 日本ではずっとやりたい思っていて、最も早いタイミングが今でした。米国から英語圏を中心に攻めて、やっと日本でビジネスを展開できることになりました。

 特に1年半前に、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフに「日本に絶対来るべきだ」と言われたのは大きなきっかけでした。

――日本では、食べログやぐるなびといったサービスがすでに浸透していますが、対抗策はあるのですか。

 食べログやぐるなびは、素晴らしいサイトだが、飲食店やレストランの口コミです。その点、イェルプは例えばショッピングの施設だったり、公園、美容院など、住所を持つ施設なら何でも口コミのレビューができます。

 また、イェルプは自分が好きな店や施設を、コミュニティーのメンバーに伝えることに主眼が置かれています。例えば、自分の好きなレストランをレビューしている人が、他の美容院なども口コミしていれば、他のジャンルへもたどっていくことになる。

 日本では、食べログなどでは届かない分野での代替策になっていくのではないでしょうか。