フリーアナウンサーとして活躍の場をさらに広げる小林麻耶と『伝え方が9割』が58万部のベストセラーとなったコピーライター佐々木圭一氏。BS朝日『ポップメイカー』で共演する2人が考える、伝えること、伝える中身の問題とは。『伝え方が9割』上級編とも言える対談です。
(取材・構成/森 綾 撮影/小原孝博)
今まで思っていたことが『伝え方が…』に書いてある
佐々木 小林さんは僕に会う前から『伝え方が9割』を読んでくださっていたそうですね。
小林 そうなんです。いつもお世話になっているネイリストさんから「麻耶さんが好きそうな本を見つけました」と、オススメして頂きました。
佐々木 そうだったんですか。
小林 はい。ブームになる前から読んでいました。刺激的な本に出会ったら情報を交換し合う友人たちにも「伝え方が9割」をプッシュしていたんです。
佐々木 ありがとうございます。
小林 新番組の「ポップメイカー」でご一緒させていただけると聞いて「あ、あ、あの佐々木さん?!」と相当気合いが入りました。すごく嬉しかったです。
佐々木 僕もうれしいです(笑)。
小林 アナウンサーという職業に就いてから、伝え方については毎日考えてきたので、佐々木さんの本は私にとって「最強の教本」です。もっと早く出会いたかったです!
いかに分かりやすく視聴者の方に情報を届けるか、どういう言葉を紡ぐと伝わりやすいか、生放送など瞬発力が必要な時ももちろんありますが、事前に準備すると伝わり方が劇的に変わるのを何度も体感してきました。伝え方は本当に大事ですね。
佐々木 なるほど。
小林 新人研修で先輩アナウンサーの方から「局のアナウンサーは短いフレーズで伝える技術を磨きなさい」と教えてもらったことがあります。時間と言葉を使えば伝わると思い
ますが、たとえば、絶対に番組として伝えなくてはならない情報をその場の空気感で長々と話すより、シンプルな言葉で情報を入れた方が伝わりやすい場合があります。そんな時、どれだけ言葉を瞬時に削って短いフレーズで伝えられるか。また生放送で3秒、5秒しか残っていない時、どんな言葉を選ぶのか。稀に局のアナウンサーにも個人的な意見を求められることがあるのですが、その時にいかに時間を使わず自分の考えをポン言えるか、常に課題でした。