ヤン 現在は、財務計画づくりを手伝ってもらっています。例えば資金調達として、いつ融資を受け入れるのが良いのかといったことを議論しています。それからぼくたちは今、小型蓄電池の提供による電力販売から、各家庭に簡易な太陽光発電装置を設置するビジネスモデルへと転換しようとしているのですが、その方法についてもいろいろ相談しています。

社会起業家から見た
「こんな投資なら必要ない」

 EGGエネルギー社は投資家としてGDFスエズ社を歓迎しているわけだが、受け入れたくない投資というのはあるのだろうか。

ヤン ありますね。例えば、シュナイダー社の投資はGDFスエズ社に比べてもっと戦略的です。だから、仮にシュナイダー社から投資を受けると、彼らの戦略に沿った情報収集に協力せざるを得ない。農村のコミュニティに情報提供を強要するのは、信頼関係を壊すリスクがあります。もちろん、シュナイダー社からお金以外のメリットを受けられるかもしれないけど、今のEGGエネルギー社にとっては負うリスクの方が大きいと考えています。

インパクト・インベストメントは、そもそも金銭的リターン以外の社会・環境への影響や自社へのメリットに重点を置く投資であり、投資家によって得たい効果にばらつきがある。投資家からの要求に応えようとすると、結果としてインパクト・インベストメントを受け入れることの負担は大きくなってしまうのではないか。

ヤン EGGエネルギー社はGDFスエズ社以外に、インベストメント・デベロップメントというインパクト・インベストメントファンドからも投資を受けています。当然投資家が求めるメリットや社会的インパクトが異なるので、最初の段階でよく話し合って理解するプロセスが欠かせません。

 僕たちはタンザニアの農村の人々に電力を届け、彼らが買う石油代を削減することで、生活において他の選択ができるようにしたいと思っています。僕たちの目的と投資家の目的が合致していることが必須条件です。それからEGGエネルギー社の成長を支援してくれるパートナーになるかどうかも大事な点です。幸いにして、現在までのところ大きな負担になるような投資家とは組んでいません。