<現在はマネージャー職ですが、部長職含みと考えての採用です。様子をみて、早く部長として大きな部隊を任せる前提とのことです>

 と、微妙な条件提示があったのです。提示を受けたのは人材紹介会社のキャリアアドバイザーからでした。

 Sさんは自分の職場環境を冷静に分析してみました。営業部門で部長は4名。まだ、年齢も若く、業績もそれなりにあげている人ばかり。新たに部門が増えたとしても、自分より先輩で次の部長候補はゴロゴロいる状態。かなり、部長までの道のりはかかりそう。だとすれば、部長含みにかけてみよう…と決断したのです。

 こうして部長含みで入社した(つもりの)Sさんは新たな職場で、自分が部長になったつもりで仕事に向かいました。ところが、この振る舞いで職場に大きな波紋を呼んでしまったようです。

転職早々“部長気取り”で窮地に
リップサービスを鵜呑みにするな!

 Sさんが営業マネージャーとして配属された職場には、部下が5名いました。ただ、その部門には同じような立場のマネージャーが他に2名。当然ながら部長もいます。

<部長のFさんって年配で、うだつがあがらない感じだ>

 と思いながら、自分はFさんの後任を任されると勝手に決めつけてしまいました。そして、

「部長の会議にもオブザーバーで参加してもいいですか?」

 と、部長の仕事を早めに覚えようと先走った行動を示し、F部長や同僚が混乱する状態を生み出してしまいました。それには、

「Sさん。あなたはマネージャーとして自分の役割の範囲で仕事を覚えて、成果を出すことに専念してください」

 と人事部から教育的指導が入りました。