実際、共働きの女性の多くが子どもの小さい頃は時短勤務を行いますが、男性社員は勤務時間の9時半~4時半の彼女たちしか見ていないから、4時半に帰った後はゆっくり子どもと寝ている・遊んでいるんじゃないかと思いがちです。ただ、本当は朝とても早く起きて、家に帰ってからも家事があり、子どもを寝かしつけてから仕事をして……と、とても忙しい現状があるのです。私どもの行う男性管理職向けの研修では、こうした見えない時間を伝え、少しでもイメージを持ってもらえるようにしています。ですから、上司はこうした家庭との両立の苦労をしてでも働きたい女性たちをどう支援していくかというマネジメントの視点が必要なのです。

 とはいえ、家族のサポートが得られる人がいる反面、得られない人もいて、同じ年代の子どもがいても状況はまちまちです。ですから、マネジャーが女性部下の働く環境や意識などの現状を知るために、まずは面談をして、差し障りがない程度で仕事や家庭の状態を聞いてください。そして、長い意味でのキャリアビジョンを一緒に考えて仕事のやりがいが育つよう仕事をアサインしながら支援することで、次にやりたいことが見えて、今を頑張れるのではないでしょうか。

――そうした女性社員に昇進意欲を持ってもらうには、どんな方法が有効でしょうか?

 女性管理職が増えないのは、大変さばかりのイメージが先行し管理職になるメリットが伝わっていないから。両立が大変という思いや、バリバリ働く人を見て、「自分はああなれない、ああなりたくない」という思いなのでしょう。そういう人には、ワーク・ライフ・バランスを取りながら、管理職としてやっていけるということや、権限を持つことで仕事がやりやすくなったり、情報が入ってきやすくなるなど、管理職のメリットをしっかり伝えましょう。

 また、女性の場合、同僚や先輩よりも先に昇進することが気になる人も多いと思います。自分自身で働きがいやキャリアプランをしっかり持っていれば左右されませんが、そうでなければ急にひな壇に上げられても自信がないし、やっかみも受けます。ですから、部下には、できるだけ平等に機会とチャンスを与え、能力と経験が十分積まれ意欲がある人に管理職にチャレンジしてもらうように支援しましょう。そうすれば、周囲も納得感が高く、本人もやる気が削がれることなくチャレンジできます。

 もし女性がマネジャーになったときは、女性の強みである共感力やチーム力で全員の力を伸ばすようなマネジメントができると思います。ですから、一概に女性のやる気がない、能力がないと決めつけずに、一人ひとりの能力をうまく伸ばしてマネジメントしていくことが重要なのです。