「お父さんはさぼってるの?」

 最近、中国のSNS微博のとあるつぶやきが話題となった。「中国科学院の副研究員の子どもが来年小学校に上がることになった。同じ幼稚園の子が中関村一小に入るのに、どうして自分は入れないの、と子どもが尋ねたので、父は貧乏で中関村の家が買えなかったからだよと答えた。すると子どもはなんで毎日働いているのに貧乏なの?さぼってるの?と聞いた」。

 文部科学省に相当する教育部の発表によれば、2015年までに19の大都市のすべての県(市、区)の、100%の小学校、90%以上の中学校で学区制を実施するという。ここ数年、義務教育段階について北京市は一貫して「就近免試(最寄の学校に入学し、試験は免除)」の原則を貫いている。だがこれは、小学校はすべて住居の所在エリアによって学区が決められることを意味しており、よりよい教育資源、よりよい教師陣、より高い進学率の学校に入るためには、家長は身銭を切って家を買わざるを得ない。

 微博のなかで出てきた中関村一小の学区房は一般家庭ではとても手が届くものではない。調べによれば、現在、中関村一小、二小、三小付近の学区房の価格は1平方メートルあたり7万~10万元で、2009年に1平方メートル2万元ちょっとだったのと比べて3年余りで5倍近くとなっている。学区房を取り扱う不動産業者よれば、現在、中関村一小付近の学区房が最も高額で、彼の手元にある物件のなかで一番安いものが約41平方メートルで365万元、やや安いものでも60平方メートルで420万元前後だという。

 北京その他の区、いや、その他の大都市でも似たような光景が見られる。もし、今、私は中国に住んでいたら、今度は娘とともにその結婚に必要な愛の巣と、やがて生まれる孫のための「学区房」確保に苦しむだろうと思う。私が、「なんで毎日働いているのに貧乏なの?さぼってるの?」と聞かれた対象になるかもしれない。思わず冷や汗をかいた。