Q 心の問題から腰痛になることもある
と聞いたのですが本当ですか?
A レントゲン画像でも痛みの原因になるような異常が見つからず、痛み止め薬、注射、リハビリなどの治療も効果がない場合、心の問題からくる腰痛の可能性があります。
このタイプの腰痛は、心にあるストレス、心理的な葛藤(かっとう)が体の痛みとして表れることによって起こります。一種の身体表現性障害です。実際には純粋な身体的疼痛と心理的疼痛を区別するのは難しいのですが、腰痛に伴う不安やうつ状態とは鑑別しなければなりません。
Q 「骨盤のゆがみ」とよく言いますが、
そういうものはありますか?
A レントゲンやMRIで実際に目に見えるような骨盤のゆがみは、ほとんどありません。画像上では骨盤よりも腰椎にゆがみが見られることが多く、腰椎が横に曲がる変性側弯や猫背が固まった後弯変形などが認められます。
骨盤の関節である仙腸関節(せんちょうかんせつ)の動きの悪さから腰痛になることもあるのですが、仙腸関節のゆがみは画像ではほとんど確認できません。仙腸関節は手足の関節と違って動きが微妙で、普段その動きを自覚することはまずありません。しかし、手術で仙腸関節を固定してしまうと日常生活の動作に支障をきたすので、実はとても重要な関節なのです。