また、ある日系自動車メーカー幹部は、「日本勢には技術力はあるのに、それで世界を牛耳ってやろうという国家戦略がない。技術で勝っても、ビジネスで負ける状態が続いていた」と断言する。

 目下のところ、標準化対象の4分野は、(1)電線をつなぐコネクターや半導体などの「部品」、(2)鉄やゴム、樹脂などの「材料」、(3)CAD(コンピュータ支援設計システム)ソフトウエアなど「設計・解析ツール」、(4)自動運転技術を支える社会インフラ設備などの「評価方法・試験方法」だ。

立ちはだかる二つの壁

 今回の新組織とは直接的には関係ないが、5月19日に、トヨタ自動車や日産など日系自動車メーカー8社が、次世代エンジンの共同研究の連携をぶち上げたばかり。日の丸自動車連合で共闘する動きが、にわかに加速している。

 もっとも、共闘には二つの壁が立ちはだかる。第一に、標準化する範囲の線引きが難しい。各社が歴史的に培ってきたノウハウをどこまで開示するのかは未知数で、14社全てが納得できる解を得るのは難しい。

 第二に、完成車メーカーが部品や設計・解析ツールなどを共通化して規格を選別する行為は、それらを製造するサプライヤーの生死を左右することになる。

 小異を捨てて大同に就くことができるのか。日の丸自動車産業の命運が懸かっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)