――アジア市場への進出を考えていますか。

 セレッソ大阪は12年9月にタイのバンコク・グラスFCとパートナーシップ契約を結んでいます。主に育成部門や指導部門での人材交流が目的です。

 この契約の締結により、セレッソもアジア進出を果たしたわけですが、私たちのアジア進出は、スポンサーであり母体企業であるヤンマーのためです。

 セレッソというリソースを活用して、ヤンマーのアジア進出を助けることができればと考えています。

 ヤンマーはアジアを重要な市場だと考えています。しかし、アジア進出に関しては、ライバル企業のクボタに遅れをとってしまっています。その差を埋めるために、セレッソ大阪というブランドを活用しようと考えたわけです。 

 今の時代、商品力で他の企業と大きな差をつけるのは難しくなっています。特に、アジア市場では企業の名前を知ってもらうことが重要なので、サッカーチームを利用するのは効果的な戦略だと考えています。

――具体的にどのようにヤンマーをPRしているのですか。

 タイは農業国なのでトラクターなどの需要が大きいのですが、今まではクボタの商品が売れていました。タイでは、農協が地元の農家にトラクターなどの農機具を販売しています。その農協の方たちが、クボタの商品を売っていたのです。

 私たちは、販売数を伸ばしたい地域の農協の方に声をかけ、ヤンマー主催のサッカースクールを開催しました。

 すると地域の子どもたちが集まります。そこで優秀な子どもがいるとバンコクに連れて行き、バンコク・グラスFCのユースと試合をさせます。地方の子どもたちが、タイのプロチームのグラウンドで試合ができるのです。

 さらに上手な子どもには、ヤンマーの創業者である山岡孫吉が創設した山岡育英会の奨学金を寄付し、より良い環境でプレーさせます。実はその中から、タイのユースに選出された選手もいて、取り組みは成功しています。

 私たちの目的は、農協の方にヤンマーの農機具を販売してもらうことですが、地元の方にしてみれば、ヤンマーという日本企業はよくやってくれている、と感謝されていると思います。