先週の総括

 先週の日経平均は激しい動きとなった。週初は10日のG7で欧州各国が金融機関への公的資本注入するなど金融不安に向けて対策を打ち出したことを好感し、1171円という大幅な上昇幅を記録した。

 しかしその後米国株式市場が景気悪化懸念から急落したことため雰囲気が一変。日経平均も1089円安と週初の上昇幅をほとんど打ち消す結果となった。週末は買い戻しも入り、結局前週末比5.0%高い8693円で引けた。

 規模別には小型株の上昇率が大きかった。マザーズ指数は前週末比15.3%の大幅プラス、東証2部指数は同5.4%のプラスであった。業種別には空運・電力ガス・ゴム製品が上昇。海運・鉱業・卸売が下落した。

今週の予報

百貨店業種:
業績は冴えないがPBRが下支えし
「曇」→「曇」

曇 曇

 今週の日経平均は揉みあいから反発を予想する。米国が発表した総合的な金融安定化策は、「大手銀行への資本注入」「銀行間取引の政府保証」「預金者保護」という3点セットを打ち出した。

 これにより、短期金融市場に落ち着く兆しが出てきたことはポジティブだ。今後の注目点は、資本注入が粛々と実行されるか、という進捗状況と、今回の金融不安が実体経済にどの程度の影響を与えるか、の2点に絞られてくるだろう。

 日米ともに最近の経済統計は一層の景気悪化を示すものが多く、順調な株式市場の上昇には障害が多い。15日の米国株式は9月の米国小売売上高の悪化が要因で急落している。米国市場の急落はヘッジファンドの解約など、期限の限られた投資家の投売りが下落を加速させた面もあり、来週以降は変動率も低下するのではないかと考えている。

 百貨店の業績は不振が続いている。Jフロントの中間決算は、セグメント別の百貨店部門(大丸と松坂屋)が16.9%の営業減益となった。高島屋の中間決算も14.7%の営業減益となった。

 また中間決算に先立って、9月に通期営業利益予想を400億円から340億円へ下方修正している。松屋は74.7%と大幅な中間営業減益を発表している。