JR総武線・亀戸駅北口のすぐそばにある「亀戸餃子」のメニューは、昭和30年の創業以来、餃子ただ一品のみ。それ以外にはビールや中国酒などの飲み物があるだけで、ごはんすらありません。それでいて、週末には行列もできるほどの人気店なのです。
お客さんでいっぱいの店内に入ると、すぐ目の前が餃子の焼き台。いったん蒸してスタンバイされている餃子を、3つ並んだ丸い鉄鍋でジュージューと焼き上げています。
「いらっしゃいませ。おひとりさん? こちらにどうぞ」
店を切り盛りしているおばちゃんのひとりが、焼き台の両側に平行して店の奥に向かって伸びる2列のカウンターの一角にある空席を指し示してくれます。
案内された席に腰をおろし、まずはビール(アサヒスーパードライ大瓶、550円)を注文すると、すぐにビールと1皿目の餃子(1皿5個で250円)が出されます。なにしろ餃子しかないので、料理は注文する必要がないのです。
店内に「お召し上がりの御方様は、お一人2皿500円よりお願いいたします」という張り紙があるとおり、少なくとも2皿10個は食べるのがこの店の決まり。
しかしながら心配することはありません。ちょっと小ぶりで、野菜が多いこの店の餃子は、2皿なんてどんな人でもペロリです。食べ終わったお皿は、そのまま置いておいて、その枚数でお勘定をしてくれるのですが、8皿以上も積み上げているお客さんもけっこういらっしゃいます。
熱々の焼きたて餃子に冷たいビール。最強の組み合せに餃子もビールも進みます。
「次をお持ちしますか?」
残り2個くらいになったところで、カウンターの中にいるおばちゃんがそう声をかけてくれます。「お願いします」と返すと、あっという間にやってくる焼きたての餃子。残っている餃子をコロリとそちらのお皿に移して、これまでのお皿の上に重ねてくれます。
老酒(150円)、汾酒(フェンチュウ、200円)、高粱酒(コウリャンチュウ、250円)など、中国酒の種類が多いのもこの店の特徴。ビールに続いては五加皮酒(ウカッピーチュウ、200円)という、アルコール度数29度の漢方薬味酒をもらって、餃子もおかわりです。
45分ほどの間に餃子を4皿いただいて、今日のお勘定は1750円でした。ごちそうさま。
つまみは餃子だけながら、行列のできる人気店 | 小さめの餃子は美味しくていくつでも食べられる | この鉄鍋で焼くと、外は パリパリ、中はふっくら |
【お店情報】
店名: 亀戸餃子
電話: 03-3681-8854
住所: 江東区亀戸5-3-3
営業: 11:00-18:30、無休