北海道日中クラブ第1回記念講演会に講師として呼ばれたので、札幌に行ってきた。千歳空港で千歳観光連盟の関係者の方々の出迎えを受け、支笏湖を回り、最近の変化を確認してから目的地の札幌に移動した。
大きな悩みを抱えていた千歳
千歳観光連盟の方々との付き合いのきっかけは4年前の取材だった。当時、千歳は大きな悩みを抱えていた。2008年末の中国ラブコメディ映画「非誠勿擾」(邦題『狙った恋の落とし方』)の大ヒットで、大勢の中国人観光客が北海道に殺到した。これは今日の中国における北海道ブームを作ったきっかけとなった。
しかし、北海道の玄関と自他ともに認められる千歳は悶々としていた。ほとんどの中国人観光客にとっては、千歳がただの空港所在地としか認識されていなかったため、飛行機を降りたら、即観光バスに乗り込んで映画のロケ地である遠方の阿寒湖へ移動してしまったのだ。なんとかして中国人観光客の一部の関心を千歳に向けてもらう方法はないのか、千歳観光連盟の方々がいろいろな作戦を考えていた。そのひとつとして日本航空を通して私の取材を仕掛けたのだ。
支笏湖や支笏湖畔にある秘湯・丸駒温泉、鮭の溯上などを取材した私は、日中のメディアに記事を書いた。特に中国語の記事は当時、いろいろな中国語メディアに転載された。そのため、世界の中国語圏に千歳の観光資源に関する情報が広がった。ダイヤモンド・オンラインにおいても、「韓国『魔法千字文』ブームと北海道千歳の観光戦略に見る『漢字』の力」と題するコラム記事が掲載された。
今回、出迎えに来られた千歳観光連盟の方々は開口一番、「4年前の莫さんの取材をきっかけにして、海外への情報発信を強化し、いまや千歳に泊る中国人を含む外国人観光客が相当増えた」と嬉しい情報を教えてくださった。
自画自賛のように受け止められると困るが、ここまでのいきさつを書いた理由は次のところにある。