キャリア停滞の症状を発見するには

 毎年、定期的に健康診断をするのと同じように、「キャリアの定期健康診断」をしましょうと私は以前から提唱しています。

 キャリアの定期健康診断とは転職する・しないに関係なく年に2回、しっかりした職務経歴書を作成することを指しています。なぜ職務経歴書を作成するかというと、気合を入れて仕事をしていないと新たに書くことがなく、キャリア診断の手掛かりとなるからです。

「あれ、やっていることが前回書いたときと何も変わっていない……」
 「やってきたことが成果に結びついていないな……」
 「上司から何のフィードバックもきていない……」

 こうした症状はキャリアに黄色信号が点滅しはじめたことを意味します。以前と代わり映えしない仕事をダラダラやっていると、職務経歴書へ新たに書くべきことができません。さらに半年後のキャリア健康診断でも何の変化もなく、成果も出していなければ、キャリアが停滞しているという赤信号です。

「この半年間、私は何もチャレンジしていない」という事態が起きるのは、たいていそこそこ業績のよいときです。そこそこ業績がいいばっかりに安心してキャリアの停滞を見過ごしてしまいがちになる、といってもよいでしょう。そんな事態を防ぐためにはやはり、業績の良し悪しにかかわらずキャリアに定期健康診断が必要なのです。