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サッカーW杯優勝のドイツ代表が
8年間改善してきた「数字」とは?

データフットボールを支える最新テクノロジー

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第53回】 2014年7月14日
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 SAPジャパンの安斎富太郎代表取締役社長は、「膨大なリアルタイムデータをバックヤードで細密かつ高速に分析し、簡単に扱えるようになれば、戦略はシンプルにできる。これは、これからのスポーツにも、そしてビジネスにも共通して求められることだ」と語る。

 ちなみに技術的には、サッカー選手の「すね当て」の中などにセンサーを入れて、左右の足の動きを別々に、より高精度にデータを採取することも可能になっているが、現在のところ試合中の使用は認められていないという。

データはチームを強くできるか?
スポーツ観戦を楽しくできるか?

SAPジャパンのスポーツへの取り組みを語る、馬場渉・チーフイノベーションオフィサー

 データ分析による戦力強化策は、サッカー以外にもNBA、プロテニス、F1など世界のメジャースポーツ分野ですでに使用されている。また、選手個々のプレイスタイルもデータ化され、チームを移籍する際に移った先でチームとマッチするかの分析に使えるシステムの開発もすすんでいるという。

 SAPジャパンでスポーツ部門を統括する馬場渉・チーフイノベーションオフィサーは、「メジャーなスポーツではほぼすべて、リアルタイムデータが採れるようになってきた。これからは、データ分析が導く“未来予測”を監督やコーチが駆使する時代が来る」と語る。

 日本での取り組みはどうか。スポーツデータの分析企業であるデータスタジアムは、SAPのHANAを用いたリアルタイムゲーム分析システムを採用し、同社が持つ独自データと組み合わせた次世代のアプリケーション開発をすることを明らかにした。球場に定点カメラを設置するなどの投資が必要になるが、次世代の分析システムはチーム力強化だけでなく、スポーツファンが試合観戦を楽しむためのスマホアプリなどにも展開できるという。

 SAPジャパンでスポーツ分野のサービスを担当する山本康史氏は、「選手起用や交代について、選手と監督の意見が食い違うことがあるが、リアルタイムデータがあれば試合中のプレーを客観的に評価することができる。それを見ながら話し合えば、納得も得られやすくなるはず」と、データがチーム内の意思統一にも役立つのではないかと話す。

 データ分析によって具体的な課題をみつけ、チームで共有し改善していくことが、長期的な視点で日本のスポーツ強化に役立つことを期待したい。

データスタジアムが開発する「次世代スポーツ分析アプリケーション」(サッカー版)のイメージ画像

(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)

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