成否に多大な影響を与える
「研修企画」4つのポイント
入社3年目研修の企画立案と実施を任された研修開発担当のA子さんは、助言を求めた先輩から「例年通りにやればいいよ」と言われて複雑な気持ちになっています。
何年も研修内容や講師選定について見直されることなく実施されてきた3年目研修ですが、A子さんとしては、内容が研修参加者のニーズに合致しているとは思えず、研修の企画から見直したい、と感じているようです。
「研修企画」は研修開発プロセスの中で、最も重要なプロセスの1つです。研修企画の良し悪しは、研修の成否に多大な影響を与えます。ある実務家の方は「企画7割、運営3割」と、その工程の大切さを述べていました。
さて、研修を企画する際には、必ず押さえておきたい4つのポイントがあります。今回は、新たな研修を企画する際も、研修の企画を見直す際にも役立つ、この4つのポイントを解説します。
1、ニーズの探索
経営・現場とコミュニケーションを図りながら、ニーズを探索する
2、人材マネジメント施策の検討
探索したニーズの中から研修で解決できるものを見分ける
3、学習者の分析
研修を受ける学習者を設定し、その学習者についてよく知る
4、「経営陣」と「現場トップ」のステークホルダー化
研修の利害関係者に事前の情報提供や提案活動などを行い、後から協力が得られやすいようにしておく
まず、1、ニーズの探索です。
研修を企画する上で、一番大切なことは「経営陣・現場のニーズに合致しているかどうか」です。人材開発担当者には、経営陣や現場から「営業部員に英語力を身につけさせたい」「若手にコミュニケーション能力を身につけさせたい」など、様々な人材育成に関わるニーズが寄せられます。人材開発担当者は、こうした声に耳を傾けつつも、自ら現場へ足を運び、組織内を歩き回って「なにが真の問題なのか」をしっかりと見極め、検証する必要があります。寄せられるニーズの中には、現場のマネジャーによる思い込みであったり、経営戦略とずれたものである場合もあるからです。